最低宿泊日数提案機能の仕組み

最低宿泊日数提案機能の仕組み

2017年当時、私たちが生み出した「動的な最低宿泊日数設定」は、導入直後から大きな反響を呼びました。予約リードタイムに応じて最低宿泊日数を短縮し、空室日数を自動的に開放する機能は、本来なら収益管理システムに標準で備わっているべき収益拡大の手段であり、私達がその先駆けとなれたことを大変誇りに思っています。2022年2月には、この機能をさらに強化し、より多くの階層や隣接する宿泊日の設定、そして季節ごとに異なる設定が可能になる機能を導入しました。

お客様からよく寄せられるご意見の一つに、「適切な設定がなかなか見極めにくい」というものがあります。最低宿泊日数はどれくらいに設定すべきなのでしょうか?リードタイムによってどの程度変えるべきでしょうか?もし中期滞在物件に重点を置きたい場合はどうすればよいのでしょうか?当社のデータサイエンスチームは昨年からこの課題に取り組んできましたが、ついに画期的な解決策をご案内できる準備が整いました。どのように推奨する最低宿泊日数を求めているかについてお話しする前に、まず、最低宿泊日数の設定がどのような役割を果たすのかについてご説明します。

動的な最低宿泊日数制限を使う理由

最低宿泊日数の制限は、どの予約を受け入れて、どの予約は受け入れないかを決めるためのルールを作成する上で、重要な管理手段の一つです。動的な最低宿泊日数制限を使用する主な理由は2つあります:

  1. 運用上の理由:最もわかりやすい例として、週末の1泊利用は通常、パーティーが行われることを意味し、多くの民泊物件ではこれを避けたいと考えています。
  2. 収益の最大化
    1. 最低宿泊日数を短く設定しすぎると、先の日程に多くの短期予約が入ってしまう可能性があります。短期予約を受け入れると、その前後の日程で長期予約を受けられなくなってしまいます。そのため、予約が入った日からは「確実な収益」が得られるものの、その前後の日程が予約される可能性が低くなってしまいます。
    2. 逆に最低宿泊日数を長く設定しすぎると、長期の予約を確保できるかもしれませんが、売れ残った日については需要が低下したり、最低宿泊日数よりも短い期間の空きがあると、まったく予約が入らない可能性があります。
当社の動的な最低宿泊日数設定機能では、リードタイム、空室期間、隣接する日数などに基づいて最低宿泊日数の設定を変更することが可能です。今回のアップデートにより、収益を最大化するための最適な設定をご案内できるようになりました。まずは運用面についてご紹介しましょう。

お客様のご使用状況に合わせて、提案内容は編集できる仕組みです

私たちには市場での収益最大化や予約傾向について多くの知見がありますが、お客様の運営状況やご要望すべてを把握しているわけではありません。当社の手法は収益最大化に重点を置いていますが、提案内容は編集可能なので、運営実態に合わない設定を変更したり、適用しないことが可能です。

たとえば、以下の提案では、過去6日間の最低宿泊日数を1泊に短縮していた「直前予約」設定のチェックを外すことができます。なお、空室がある場合には1泊の予約が入る可能性があります。そうした予約も受けたくない場合は、「適用及びカスタマイズ設定」をクリックして、「端数空室」設定を編集することも可能です。


推奨設定は、リスティングへの適用前に編集することができます。詳しくは、最低宿泊日数に関する完全ガイダンスをご覧ください。

季節ごとの各月について異なる最低宿泊日数が提示された場合、情報ボタンをクリックすると、その月のおすすめの最低宿泊日数をご確認いただけます。詳しくは、下記「季節調整」をご覧ください。

手法:「機会損失」 vs 「確実な収益」

当社の最低宿泊日数推奨機能の中核にあるのは「機会損失」です。簡単に言えば、11ヶ月先の2泊分を販売することで、「確実な収益」(その2泊分の収益)が得られます。これは非常に心強く、キャンセルさえなければ、その月の収入は確実なものとなります。しかし、予約された2泊の前後にある日程については、予約が入る可能性が大幅に低下してしまいます。予約された日程の前後における潜在的な収益の減少が「機会損失」です。

例として、2泊の宿泊予約(15日,16日)が入った10日間のカレンダーを見てみましょう。


次に、予約前日(14日)に注目し、14日の宿泊を含む4泊分の予約パターンを重ねてみましょう:


15日は空いていないため、予約パターン中の3件は成立しません。



15日と16日の2泊が予約されると、14日の潜在的な需要が減少するだけでなく、その前後の予約にも影響が及びます。例えば、以前は11日から1週間の予約をしていた滞在客の多くが、予約できなくなってしまいます。

それでも、14日とその他隣接日を含む、より大きな収益をもたらす可能性のある長期予約の見込みがどれほどあるのか、という疑問は残ります。
  • 長期の予約があまり見込めない場合は、機会損失は低いので、短期予約から得られる確実な収益を確保すべきです。
  • 長期予約が多数見込まれる場合、機会損失の可能性が高くなるため、最低宿泊日数の要件を厳しくして、短期予約による確実な収益を見送る方が得策となる場合があります。
上記の例が示すように、「確実な収益」と「機会損失」のトレードオフ計算では、ある部分については簡単に判断できます:
  1. 短期予約が成立すれば、収益が確実に入ってくることは明らかです。
  2. 機会損失の算出は、より複雑です。当社のデータサイエンスチームは昨年からこの課題に取り組み、地域の需要パターンや予約率を組み込んだ最適化フレームワークを考案しました。これにより、短期予約を受け入れることがリスティング全体での収益に悪影響を及ぼす「分岐点」を特定できるようになりました。この分岐点が、推奨される最低宿泊日数となります。
上記の例や説明から、当社のお勧めする「最低宿泊日数」について、以下のような点にお気づきいただいたのではないでしょうか:
  1. 当社システムでは長期の最低宿泊日数設定を推奨する傾向があります。一般論として、予約に至っていない需要は多く残っており、短期滞在の需要を断ったとしても、後になってそれらの宿泊日を確保できる可能性は十分にあります。
  2. 日にちが近づくにつれて(直前予約など)、短期間の予約を受け入れるため、最低宿泊日数の制限緩和を推奨します。需要が比較的少なくなっている状況では、実現するかわからない長期予約の「潜在的収益」を待つよりも、短期予約から得られる「確実な収益」を確保する方が賢明だからです。
  3. 直前での長期予約が多い市場では、直前のおすすめがそれほど表示されなくなる場合があります。これは、おすすめ機能が同じ地域にある類似物件の予約傾向を分析しているためです(詳細は後述します)。
  4. 全体的な需要が低い市場では、最低宿泊日数の制限を緩和する方向で推奨される傾向にあります(受けられる予約はすべて受け入れる)。
  5. 季節ごとの提案では、需要の高い月に最低宿泊日数増を推奨する場合があります。

基礎となる需要データ

当社のマーケットダッシュボードを過去数年ご利用いただいている方なら、当社が長年にわたり世界中の市場向けに構築してきた、詳細な予約パターンの分析をすでにご覧になったことでしょう(下の画像は、米国のスキー市場におけるさまざまな期間の宿泊日別の需要を示しています)。

私たちが最低宿泊日数推奨アルゴリズムを実行する際、どんなリスティングでも、そのリスティング周辺の類似物件について、各シーズンの滞在期間(LOS)および予約リードタイム(BW)ごとの需要パターンを分析し、リスティングに最適な最低宿泊日数を提案しています。
 
Length of stay patterns in an example Ski market (Big Sky, MT, USA)
 あるスキーリゾート市場(米国モンタナ州ビッグスカイ)における滞在期間の傾向


2つのタイプ:短期滞在と中期滞在
多くのお客様(特に都市部のお客様)は、ご自身の物件において中長期の予約が占める割合が著しく高くなっていることを実感されています。下の図は、シカゴ(当社の本社所在地)の2ベッドルーム物件に関するデータです。上のスキーリゾートの市場と比較すると、シカゴでは濃い灰色(15泊以上の滞在)の割合がはるかに高いことがお分かりいただけるでしょう。



Length of stay patterns in Chicago, IL, USA (an example urban market) show weekend heavy short term demand, but also a large portion of mid-term stays.
米国イリノイ州シカゴ(都市圏の事例)における滞在期間の傾向を見ると、週末に短期滞在の需要が集中する一方で、中長期滞在も大きな割合を占めている。

多くのお客様が運用上の理由から、どちらか一方を好んで利用されるという実態を踏まえ、これら2つのモードを用意しました。
  • 短期滞在を優先」を選択すると、15泊以上の予約を除外した市場の需要(および関連する供給)からおすすめを表示します
  • 中期滞在を優先」を選択すると、市場全体の需要をすべて考慮に入れます。ただし、市場に十分な中期滞在の需要がない場合、当社アルゴリズムによる推奨には短期滞在が含まれる場合があります。中期滞在の提案には14泊以上の滞在需要が含まれますが、そうした需要が十分に無いと、提案数が少なくなる場合があります。

PriceLabs 推奨の最低宿泊日数設定

これは、「最低宿泊日数設定」のオプションです。PriceLabsは、推奨される最低宿泊日数を自動的に適用します。お客様は、「最低宿泊日数(下限)」と「最低宿泊日数(上限)」(任意)を入力するだけです。「PriceLabs推奨」を選択すると、推奨内容は毎月自動的に更新されます。

次の3種類のオプションがあります:
  1. PriceLabsのおすすめ(民泊向け)
  2. PriceLabsのおすすめ(中期滞在物件向け)
  3. PriceLabsのおすすめ(複数客室施設向け)

最短・最長の最低宿泊日数
  1. 最短最低宿泊日数 - 当サイトの推奨プランが、お客様が設定された最短宿泊日数を下回らないようにする最低宿泊日数です。
  2. 最長最低宿泊日数 - 当サイトの推奨プランが、お客様が受け入れ可能な最大日数を超えないようにするための、最長宿泊日数です。
推奨宿泊設定の確認
この機能では、月ごとの推奨最低宿泊日数を確認できます。

稼働率に応じた調整
お客様のリスティングについて今後90日間の稼働率が市場平均を下回っている場合、最低宿泊日数を短縮します:
  1. 市場より10~20%低い場合、1泊分
  2. 市場より20%以上低い場合、2泊分
例えば、市場動向に基づいた推奨最低宿泊日数が3泊で、実際の稼働率が市場平均より10%低い場合、設定すべき最低宿泊日数は2泊となります。

重要
  1. 最低宿泊日数は、設定されている最短最低宿泊日数を下回ることはありません
  2. これはツールチップでのみ表示され、概要画面では推奨日数のみが表示されます

季節調整

季節性の強い市場(前述のスキーリゾート市場や、多くのビーチリゾートの市場など)の場合、当社の年間推奨案が、さまざまな需要パターンのすべてに最適とならないことがあります。この点を考慮し、各月の需要について個別に機会損失の最適化分析を行い、特定月の推奨案が全体的な推奨案から乖離していないかを確認しています。

こうした「例外」月は、推奨案で明記されており、先日リリースされたシーズンプロファイルでは、こうしたに例外月に対して特別なルールを簡単に設定することができます。例えば、12月が閑散期となる市場向けの推奨案では、12月の最低宿泊日数を短縮するよう推奨される場合が挙げられます。

また、これらの推奨事項を活用して、最低宿泊日数のプロファイルを作成し、季節ごとのプロファイルに適用することができます。詳しい手順については、こちらのガイドをご確認ください。


設定の更新頻度

収集するデータは毎日更新されますが、推奨案はそれほど頻繁に変更されません(長期にわたる予約傾向はそれほど頻繁に変化しないためです)。推奨案の確認は月に1回程度で十分です。もし保有物件のパフォーマンスが市場平均を下回っている場合、最低宿泊日数の推奨値を見直し、日数を減らすことでパフォーマンスを向上させ、長期的には役立つレビューを獲得できる可能性があります。

本記事に関するご意見、ご感想、ご提案がございましたら、サポートチーム(support@pricelabs.co)までお気軽にお問い合わせください。