手法:「機会損失」 vs 「確実な収益」
当社の最低宿泊日数推奨機能の中核にあるのは「機会損失」です。簡単に言えば、11ヶ月先の2泊分を販売することで、「確実な収益」(その2泊分の収益)が得られます。これは非常に心強く、キャンセルさえなければ、その月の収入は確実なものとなります。しかし、予約された2泊の前後にある日程については、予約が入る可能性が大幅に低下してしまいます。予約された日程の前後における潜在的な収益の減少が「機会損失」です。
例として、2泊の宿泊予約(15日,16日)が入った10日間のカレンダーを見てみましょう。
次に、予約前日(14日)に注目し、14日の宿泊を含む4泊分の予約パターンを重ねてみましょう:
15日は空いていないため、予約パターン中の3件は成立しません。
15日と16日の2泊が予約されると、14日の潜在的な需要が減少するだけでなく、その前後の予約にも影響が及びます。例えば、以前は11日から1週間の予約をしていた滞在客の多くが、予約できなくなってしまいます。
それでも、14日とその他隣接日を含む、より大きな収益をもたらす可能性のある長期予約の見込みがどれほどあるのか、という疑問は残ります。
- 長期の予約があまり見込めない場合は、機会損失は低いので、短期予約から得られる確実な収益を確保すべきです。
- 長期予約が多数見込まれる場合、機会損失の可能性が高くなるため、最低宿泊日数の要件を厳しくして、短期予約による確実な収益を見送る方が得策となる場合があります。
上記の例が示すように、「確実な収益」と「機会損失」のトレードオフ計算では、ある部分については簡単に判断できます:
- 短期予約が成立すれば、収益が確実に入ってくることは明らかです。
- 機会損失の算出は、より複雑です。当社のデータサイエンスチームは昨年からこの課題に取り組み、地域の需要パターンや予約率を組み込んだ最適化フレームワークを考案しました。これにより、短期予約を受け入れることがリスティング全体での収益に悪影響を及ぼす「分岐点」を特定できるようになりました。この分岐点が、推奨される最低宿泊日数となります。
上記の例や説明から、当社のお勧めする「最低宿泊日数」について、以下のような点にお気づきいただいたのではないでしょうか:
- 当社システムでは長期の最低宿泊日数設定を推奨する傾向があります。一般論として、予約に至っていない需要は多く残っており、短期滞在の需要を断ったとしても、後になってそれらの宿泊日を確保できる可能性は十分にあります。
- 日にちが近づくにつれて(直前予約など)、短期間の予約を受け入れるため、最低宿泊日数の制限緩和を推奨します。需要が比較的少なくなっている状況では、実現するかわからない長期予約の「潜在的収益」を待つよりも、短期予約から得られる「確実な収益」を確保する方が賢明だからです。
- 直前での長期予約が多い市場では、直前のおすすめがそれほど表示されなくなる場合があります。これは、おすすめ機能が同じ地域にある類似物件の予約傾向を分析しているためです(詳細は後述します)。
- 全体的な需要が低い市場では、最低宿泊日数の制限を緩和する方向で推奨される傾向にあります(受けられる予約はすべて受け入れる)。
- 季節ごとの提案では、需要の高い月に最低宿泊日数増を推奨する場合があります。
基礎となる需要データ